自分を知る
だから子どもが分かる!

光田 勇介さん

子育て診断士

プロフィール:光田 勇介(こうだ ゆうすけ)/外資系保険会社勤務。1983年3月1日生まれ。名古屋学院大学経済学部経済学科卒業後、宝石鑑定士の資格を取得し宝石店勤務。2010年、27歳の時に現在も勤める外資系保険会社に転職。現在は外資系保険会社に勤務しプロコンサルタントとして活動しながら、ボランティアで子育て診断士としても活動。家族のサイグラムは自身がマインド・タイプ9、同級生である妻がアクティブ・タイプ6、長男がアクティブ・タイプ5、次男がフィーリング・タイプ3。

子育て診断士の子育ては何が違うのか?

長谷川光田君が、子育て診断士に興味を持ったのはどうして?子どもさんがいたから?

光田そうですね。僕は子どもが生まれる前から、子育てにはうるさいくらい積極的に参加したいとずっと思っていたんですけど、ある時に仕事で参加した勉強会で、偶然「子育て診断士」という存在を知りました。はじめは、自分の家庭のコミュニケーションをもっと上手くとれたらいいな…くらいの気持ちで、勉強を始めました。

長谷川光田君は、奥さんと同級生なんだよね。お子さんは男の子2人。実際に自分の子育てとかパートナーとのコミュニケーションは、どんな風に変わった?

光田はい。子育て診断士の勉強をしていく中で、サイグラム(※)を学び、自分は「動く前に考える」マインドグループ、妻は「考える前に動く」アクティブグループ、正反対のタイプだという事が解りました。そして、長男はアクティブグループ、次男はフィーリンググループ。
これまで、妻との関係で「何かここが噛み合わない。どうもここは伝わらない。どうしてだろう…」と思っていた事や、子どもとの関係で「同じ伝え方をしているのに、どうして2人への伝わり方がそれぞれ違うんだろう?」と思っていた事。
その理由が解ってスッキリしたんです。

長谷川接し方も変わるよね。ただ「違う人間」で終わるのではなく「自分はこう、相手はこう。だから、こうやって接すればいいんだ!」と解るし、一息ひと呼吸置いてから接する事が出来る。

光田そうですね。意思疎通を図るときに起こるストレスを、軽減するコツがわかって本当に気持ちが楽になったんです。
こういった自分の体験があるからこそ、パートナーとの関係や子育てに悩んだり、不安に思っている人達に「少し接し方のコツがわかるだけで、こんなに気持ちが楽になるんだって伝えたいんです。
ただ、人間ですから感情があります。いくら学んでも100%完璧には、できないですよね。特に身近な人となると私情が入りますし。
でも、相手のタイプ、自分のタイプを知っている事で、今迄よりは少し心に余裕ができると思うんです。今は既存のお客様だったり、ご紹介いただいた方へアドバイスしたり、イベントへの参加をしたりとボランティアで子育て診断士として活動しています。(※)サイグラムとは、コミュニケーション・コンセプターの吉井伯榮氏が創案した「能力心理学」と「分析心理学」の二つの心理学説をベースとするコミュニケーションメソッド。その実践的な内容と情報の質の高さから、多くの経営者や管理者、ビジネスマンの間で広く使われている。最近では、ビジネス分野だけではなく、教育関係者、医療関係者、主婦(子育て)等、多岐にわたる。サイグラム「psygram」という名称は、サイコロジー「Psychology」(心理学)とダイアグラム「Diagram」(図式)からなる合成語。

子どもの事だけを知るのではなく、
親も自分を知るんです。

長谷川どんな相談を受ける?

光田先日の事なんですが、小学生のお子様をお持ちのお父さんが「うちの子は、朝の準備が遅くて集団登校の待ち合わせ時間にいつも遅れていく。本当にのんびり屋さんなんです。だから”家を出る時間を守れたら、お小遣いアップ”というご褒美を与える作戦にでたのです」と。
その後お子様は、きちんと時間を守って出かけていたのですが、ある日何か様子がおかしい事に気がついたんです。出かけたはずのお子様の声が、玄関の扉の向こうで聞こえてきたそうで。
お父さんとの約束の時間までに、玄関のドアを開けて外には出ていたのですが、必要な荷物だけ持って、外で準備の続きや着替えをしていたそうです。お父さんは、びっくりされて…。まさか、そんな行動に出るとは思ってもみなかったようで。

長谷川出かけたと思っていたら、玄関の外にまだ居たんだもんね!(笑)

光田サイグラムでは、お父さんがマインドグループ、お子様がアクティブグループでした。お父さんは、お子様の事をのんびり屋さんだと思っていたのですが、そうではなかったんですよね。アクティブグループは必要性に生きているので、縛ったり、1から順を追って説明するよりも、本当に守らなければならない事だけを明確に伝えた方がいいと、お父さんに伝えた所「そういう事だったのか!だから時間に外に出ることに重きをおいていたんですね!」と驚かれていました。

長谷川そうだよね。僕の所は、僕も妻もアクティブグループで、娘がフィーリンググループなんだよね。僕ら「即行動!ちゃっとやりたい!ぱっとやりたい!」親からすると、娘の行動は遅く感じる。サイグラムを知らなかったら「グズグズしていないで早くしなさい!」と言ってしまっていたかもしれない。でも、娘はフィーリンググループで、周りの状況を見て、空気を感じてから行動するタイプだって解ったことで、気持ちを長くして、穏やかな心を持って接する必要があるって思えたんだよね。

光田繰り返してしまいますが、いくら学んでも子育てに100点はないし、サイグラムを知ったからと言って、いきなり180度接し方を変える事は、できないと思います。でもまずお子様の事、そして親であられるご自身の事から知っていただきたいと思っています。多くのご家族の関係性を良くして、気持ちにかかるストレスを解消してあげられるようになりたいですね。

人と人の繋がりをもてる仕事をしたい。

長谷川僕と同じように、保険のプロコンサルタントをしながらボランティアで子育て診断士をしている光田君。でも、僕とは全然タイプが違うよね。光田君にとって、仕事をするうえでの理念て何?

光田理念と言えるかは、わかりませんが「仕事だけじゃなくて、人と人との繋がりがあってこそ、仕事のやりがいや成長に繋がる」と思っています。

長谷川前職では、そういうのはなかった?

光田長期的なお付き合いはありませんでしたね。ブライダルジュエリーの販売をしていて、結婚という人生の大きな転機に関係する場に立ち会わせていただいていました。が、当然のことながら、お客様との交流は大半がご購入の際の1度だけという場合が多く、それきりで終わってしまうんですよ。あってもせいぜい半年に1度、1年に1度お手入れや調整の為に来店されるだけ。それが悪いというわけでもないし、特に会社に不満はなかったのですが、物足りなさを感じていたんです。もっともっと、人と人同士の付き合いができたらいいのに…と、思っていました。それでお客様と永くお付き合い出来る、今の仕事をはじめました。

長谷川保険は契約をあずかって終わりではないからね。その後、計画的に考えて動くマインドグループの光田君は、節目節目でお客様宅へご訪問して様子をうかがったり、自分の行動次第で一生かかわり続けられるもんね。
僕は必要性に生きるアクティブグループなので、「今、この人にこれが必要だ」というタイミングで会いに行くけどね!(笑)

悔しい!と思う相手。だから頼れる。

光田今の仕事を始めて、長谷川さんとパートナーになって、僕にとって「テレビ台」のエピソードはものすごく驚いた事でもあるし、僕が求めていた「人と人の繋がりがある仕事」とはこういうことだ!と、思った瞬間だったんですよ。

長谷川テレビ台ね!

光田長谷川さんと一緒にご訪問したあるご家庭の話です。小さなお子様がいらっしゃる4人家族のご家庭で、リビングのテレビ台の開き戸を、お子様が壊してしまったそうで、僕達がご訪問した際に、壊れた扉がテレビ台にたてかけてあったんですよね。奥様が「捨てようと思うんです」とおっしゃられて。そしたら長谷川さんが、壊れた扉を指して「これ、持って帰っていいですか?」って言い出したんですよ。「???」ってなりました。

長谷川捨てるっていうからさ、持って帰って直せないかなって思ったんだよね。

光田結構派手に壊れていたし、何するんだろう?って不思議でした。そしたら、次のご訪問の際、その壊れていたはずの扉はきれいになって、持って来た工具でテレビ台に取り付けたら、テレビ台が新品のようになったんですよ!お子様の事も考えてガラスをアクリル板に取り替えて。お客様も喜ばれたんですが、僕が一番驚きました。
と、同時に「これだ!これぞ、人と人との繋がりだ!!」って思ったんです。

長谷川後から解ったことだけれど、あのテレビ台は旦那さんが就職して、すぐに購入したテレビ台で、10年以上使っていて思い入れのあるものだったよね。だから、すごく喜んでいただけて。僕もすごく嬉しかったな。

光田テレビ台をなおすってのはあくまでも1つのエピソードでしかないし、それが正しいとかそれが全てではない。同じ事をしろと言われてもやらない人がほとんどでしょうが、僕の隣には、間違いなくそれを出来る人がいるんですよね。すごいと尊敬する気持ちと同じくらい悔しい!って思ったんです。

長谷川嬉しいなぁ。もっと悔しがっていいよ!(笑)

光田まぁでも、僕も負けてられません。長谷川さんにできなくて、僕に出来る事があると思うので、そういうのを、自分の強みとして行動したいですね。

長谷川そうだね。僕と光田君はタイプが違う。だからこそ、出会った人に対してそれぞれが得意とする角度から貢献できるよね。

子育てとはこれからの日本をつくること。

長谷川子育て診断士として、これからどんな風に活動して行きたいと思ってる?

光田現在は、お客様のフォローとして相談に乗っていますが、少しずつハウスメーカーの展示場や、カフェなどのイベントとして、子育て支援で相談をうける事が増えてきました。
それから、幼稚園やトワイライトスクールの職員さんにも興味を持っていただいています。
親はもちろん、親ではないけれど常に子どもと接するお仕事をされている方たちにも広げていきたいですね。

長谷川そうだね。子どもを育てていくのは親だけではなく、接する大人全員で子どもを育てたいよね。

光田今は本当に色々なお子様がいて、愛情を感じられないと思いながら育つ子も多いそうです。親は愛情を注いでいるつもりだけれど、それが子どもには伝わっていないという、すれ違いがたくさん起きているんです。

長谷川人との接し方がわかってくれば、いきなり相手を拒否する事も減るし、自分の事も理解できるようになれる。
そういうことをしっかりと僕たち子育て診断士の仲間で広げていって、日本を明るくしていきたいよね。がんばろう!

光田はいっ!未来をつくる子ども達のためにもがんばりましょう!